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2013年2月

2013年2月26日 (火)

敷松葉

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先月、訪れた冬の京都で 心に留まったこの風景。一面に敷かれた松葉が とても美しかったのを 今も覚えています。

つい最近、この松葉のしつらえを、‘敷松葉’ということを知りました。

霜で苔が痛まぬよう養生するために敷かれたものだそうです。風情を感じる先人の知恵ですね。

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少し調べたところ、俳句では 初冬を表す季語として使われています。

また、お茶の世界では、露地に この敷松葉を施す頃、炉開きをするそうです。

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この松葉が、冬の緑を より美しく見せているようにも思えます。

年を重ねるほど、新しいことを知る喜びが 大きくなるような気がします。

裏山に 山ほど松の木があるので、今年は ちょっと敷松葉を楽しんでみましょうか…。

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2013年2月18日 (月)

この寒い季節に

~ こどもの狐は遊びに行きました。

~ 真綿のように柔らかい雪の上をかけまわると、                                 ~ 雪の粉が、しぶきのようにとびちって                                             ~ ちいさい虹がすっとうつるのでした。

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久しぶりに、新見南吉著 「てぶくろを買いに」を手に取りました。

生まれて初めて、雪景色を見る‘こぎつね’の目を通して、雪山の風景や人里が 優しく、そして 美しくつづられています。

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わが里は、例年だと 雪は少なく、たまに降る大雪を、この‘こぎつね’のような気持ちで、受け止めることができました。

しかし、今年は 異常なほど 雪が多く、いささか気が滅入っています。新見さんの本を読んで、やわらかな文体に触れ、ほんの束の間、心が和らぎました。

さて、寒いさむいこの2月…

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熟成した味噌を 小分けし、

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今年もまた、新しい味噌を仕込みました。(大豆6キロ こうじ6キロ)

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冬の手しごと。今年も くつしたが仕上がりました。モノトーンの冬なので、明るめの色づかいで…。

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工房では、踏み台と イーゼルを納品し、

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今、仏壇づくりに 奮闘中です。

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そして、容赦なく雪は降り、忙しいさなかの雪かき…ため息…

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イーゼルの写真を捜していたら、昨年のものが出てきました。懐かしい‘みどり’に 胸がドキドキ ときめきます。タマアジサイがつぼみをつけているので、8月の初旬ですね。今は、雪にすっぽり覆われています。今年は、雪が多いので、植物にとっては、寒風にさらされるより、暖かな冬かもしれませんね。

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今週も 雪が降りそうです。じっと 我慢のこの季節です。

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2013年2月 3日 (日)

京都へ   その3. 節分のころ

京都は、好きな街のひとつです。今回は、仕事でしたが、せっかくなので、一日 ゆっくり見て回ることにしました。

まずは、紫織庵。

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京友禅の呉服屋さんが ご自宅の一部を 開放してくださっています。

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格子戸の門から 玄関につづく敷石のしつらえが、趣があり よかったです。左横のれんがの壁のお部屋は 洋館風になっていました。窓の下には、大矢石がはめこんでありました。

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玄関先には、赤穂緞通(あかほだんつう・日本の三大絨毯のひとつ)が敷かれてありました。奥の座敷にも、いっぱい。(ひとつ 譲ってほしいと思うくらいに)

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冬だというのに、緑が美しいお庭。敷石をたどっていくと、

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茶室がありました。このお茶室の名が、紫織庵です。広い和室には、大きな屏風絵が飾ってあり、興味深かったです。もちろん、京友禅の展示もありました。

2階には、祇園祭のときに 山鉾をみるための‘鉾見台’がありました。京都ならではですね。

江戸後期に建てられた由緒あるこの京町屋も 心ある人たちに守られて、ここにあることを 忘れてはいけません。

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さて、この後、細見美術館で 若冲と琳派の絵を堪能し、冬の特別公開へと回り始めたのですが、この日は、粉雪がちらちら舞う 凍えるような寒さで、残念ながら 拝観を楽しめる気分ではありませんでした。 

そこで、ほっこりできるところへ。

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              和菓子処、宝泉茶寮です。

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玄関へと続く敷石の横には、松葉が 一面に敷き詰められていました。

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店内に入ると、一風変わった石のようなものが 敷き詰められています。伺ったところ、焼き物の器を窯にいれるときに使う台だそうです。伊賀の窯元でいただいたとか。おもしろいですね。

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そして、数寄屋造りのこの和室で、美しい庭を眺めながら、お茶をいただきます。

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今回は、丹波産の白あずきのぜんざいをいただきました。体も ほかほか温まり、

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心も ふんわり和らいで、心静かなひとときが ゆるりと流れていきました。

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そして、ふと 床の間に 目を移せば…

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大津絵の鬼と お多福のお面が飾られていました。

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ほら、こちらにも。季節を感じさせるおもてなしですね。

今回は、ちょっと天気に恵まれませんでしたが、その時々にみられる趣に出会え、よかったです。また、いい季節に出かけたいと思います。

 

そうして、今日は、2月3日。節分ですね。豆まきをし、新しい春を迎えました。

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2013年2月 2日 (土)

京都へ   その2.家具やの仕事

京都の町屋の改築に伴い、今回 キッチンと洗面所の収納棚を納品しました。

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こちらは、洗面所。下にキャビネットが入り、外側の開き戸がついたところです。

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次に 天板と開き戸の間に 幕板を取り付けます。

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ところが、うまく入りません。天板が微妙に弧を描き、中央部が やや下がり気味のようです。

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端と中央で どのくらいの誤差があるか、確認します。そして、次に取り出したものは、

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           数字の書かれた板。これは、12。

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こちらは、16と 16.5? さて、どのように使われると思いますか?

この板を天板の下に挟み込むことで、天板が持ち上がり、水平になるのです。 今回は、16ミリのもので ほぼ平らになりました。

(この説明でおわかりになりましたか?ちょっと 心配)

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後の微妙な調節は、かんなで行います。

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               きれいに 入りました。

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         最後に、引き出しを入れ、

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完成です。材は、水に強い栗です。

こうして、町屋の家の仲間入り。古きものたちと共に、幾久しく 可愛がられますように。

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2013年2月 1日 (金)

京都へ その1.町屋

ここで、京都へ 納品に行ってきました。お届け先は、町屋を改築しているお宅です。まずは、改築中の町屋の様子を、少しばかり 紹介します。

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うなぎの寝床によく例えられますが、間口が狭く、入ると 奥が長い町屋。長く伸びる廊下が 印象的です。

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その廊下の真ん中あたりに、坪庭があります。陽がはいり、夏は 風を招いて涼をとり、緑を愛でる、憩いの空間。

そして、写真では わかりませんが、庭を囲むようにしてはめ込まれている窓は ‘手延べガラス’です。

明治から大正にかけて作られたもので、今では手に入らない貴重なガラスとなっています。ガラスの表面が波をうっていて、外の景色が ぼんやり ゆがんで見えるところが 風流で いいです。

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階段を上がったところには、すかし模様が入っていました。オシャレですね。

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2階の和室。床の間に、障子、土壁…そして

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摺りガラスの入った窓と、日本建築の細やかさが 見て取れます。

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床の下張(したばり)には、 ‘東奥’と書かれた文字。この町屋が建てられた時の大工が書いたものでしょうか。達筆ですね。この上に 畳が敷かれるので、普段は 目にできない昔の痕跡ですね。

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一室だけ、懐かしさを漂わせるノブがついています。このドアを開けると…

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大きな木枠の窓が 目に入ってきました。昭和初期につくられた洋館風の部屋です。

この部屋を 洋館風に印象付けているのは、この木枠の窓ですね。ということは、 前に紹介した摺りガラスの窓が入っていたら、和風の部屋になっていたでしょう。

今は、決まったように アルミサッシの窓を使っていますが、窓ひとつで このように部屋の印象が変わるということを 身を持って感じました。

この町屋を拝見して、お施主様が 長い時を経たこの古い家を 大切に思っていることが伝わってきました。

さて、この町屋で ろばの家具やが 納めたものは?  長くなってしまったので、次回、紹介させていただきます。 

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