京都

2013年2月26日 (火)

敷松葉

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先月、訪れた冬の京都で 心に留まったこの風景。一面に敷かれた松葉が とても美しかったのを 今も覚えています。

つい最近、この松葉のしつらえを、‘敷松葉’ということを知りました。

霜で苔が痛まぬよう養生するために敷かれたものだそうです。風情を感じる先人の知恵ですね。

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少し調べたところ、俳句では 初冬を表す季語として使われています。

また、お茶の世界では、露地に この敷松葉を施す頃、炉開きをするそうです。

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この松葉が、冬の緑を より美しく見せているようにも思えます。

年を重ねるほど、新しいことを知る喜びが 大きくなるような気がします。

裏山に 山ほど松の木があるので、今年は ちょっと敷松葉を楽しんでみましょうか…。

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2013年2月 3日 (日)

京都へ   その3. 節分のころ

京都は、好きな街のひとつです。今回は、仕事でしたが、せっかくなので、一日 ゆっくり見て回ることにしました。

まずは、紫織庵。

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京友禅の呉服屋さんが ご自宅の一部を 開放してくださっています。

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格子戸の門から 玄関につづく敷石のしつらえが、趣があり よかったです。左横のれんがの壁のお部屋は 洋館風になっていました。窓の下には、大矢石がはめこんでありました。

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玄関先には、赤穂緞通(あかほだんつう・日本の三大絨毯のひとつ)が敷かれてありました。奥の座敷にも、いっぱい。(ひとつ 譲ってほしいと思うくらいに)

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冬だというのに、緑が美しいお庭。敷石をたどっていくと、

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茶室がありました。このお茶室の名が、紫織庵です。広い和室には、大きな屏風絵が飾ってあり、興味深かったです。もちろん、京友禅の展示もありました。

2階には、祇園祭のときに 山鉾をみるための‘鉾見台’がありました。京都ならではですね。

江戸後期に建てられた由緒あるこの京町屋も 心ある人たちに守られて、ここにあることを 忘れてはいけません。

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さて、この後、細見美術館で 若冲と琳派の絵を堪能し、冬の特別公開へと回り始めたのですが、この日は、粉雪がちらちら舞う 凍えるような寒さで、残念ながら 拝観を楽しめる気分ではありませんでした。 

そこで、ほっこりできるところへ。

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              和菓子処、宝泉茶寮です。

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玄関へと続く敷石の横には、松葉が 一面に敷き詰められていました。

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店内に入ると、一風変わった石のようなものが 敷き詰められています。伺ったところ、焼き物の器を窯にいれるときに使う台だそうです。伊賀の窯元でいただいたとか。おもしろいですね。

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そして、数寄屋造りのこの和室で、美しい庭を眺めながら、お茶をいただきます。

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今回は、丹波産の白あずきのぜんざいをいただきました。体も ほかほか温まり、

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心も ふんわり和らいで、心静かなひとときが ゆるりと流れていきました。

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そして、ふと 床の間に 目を移せば…

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大津絵の鬼と お多福のお面が飾られていました。

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ほら、こちらにも。季節を感じさせるおもてなしですね。

今回は、ちょっと天気に恵まれませんでしたが、その時々にみられる趣に出会え、よかったです。また、いい季節に出かけたいと思います。

 

そうして、今日は、2月3日。節分ですね。豆まきをし、新しい春を迎えました。

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2013年2月 1日 (金)

京都へ その1.町屋

ここで、京都へ 納品に行ってきました。お届け先は、町屋を改築しているお宅です。まずは、改築中の町屋の様子を、少しばかり 紹介します。

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うなぎの寝床によく例えられますが、間口が狭く、入ると 奥が長い町屋。長く伸びる廊下が 印象的です。

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その廊下の真ん中あたりに、坪庭があります。陽がはいり、夏は 風を招いて涼をとり、緑を愛でる、憩いの空間。

そして、写真では わかりませんが、庭を囲むようにしてはめ込まれている窓は ‘手延べガラス’です。

明治から大正にかけて作られたもので、今では手に入らない貴重なガラスとなっています。ガラスの表面が波をうっていて、外の景色が ぼんやり ゆがんで見えるところが 風流で いいです。

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階段を上がったところには、すかし模様が入っていました。オシャレですね。

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2階の和室。床の間に、障子、土壁…そして

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摺りガラスの入った窓と、日本建築の細やかさが 見て取れます。

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床の下張(したばり)には、 ‘東奥’と書かれた文字。この町屋が建てられた時の大工が書いたものでしょうか。達筆ですね。この上に 畳が敷かれるので、普段は 目にできない昔の痕跡ですね。

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一室だけ、懐かしさを漂わせるノブがついています。このドアを開けると…

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大きな木枠の窓が 目に入ってきました。昭和初期につくられた洋館風の部屋です。

この部屋を 洋館風に印象付けているのは、この木枠の窓ですね。ということは、 前に紹介した摺りガラスの窓が入っていたら、和風の部屋になっていたでしょう。

今は、決まったように アルミサッシの窓を使っていますが、窓ひとつで このように部屋の印象が変わるということを 身を持って感じました。

この町屋を拝見して、お施主様が 長い時を経たこの古い家を 大切に思っていることが伝わってきました。

さて、この町屋で ろばの家具やが 納めたものは?  長くなってしまったので、次回、紹介させていただきます。 

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2011年9月25日 (日)

京都 その1・雨

今回の京都は、台風がくるという予報だったので、具体的な予定をたてずにいました。何度も訪れているので、気持ちに余裕があったと思います。天気次第で その時に決めることにしていました。

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予報通り 朝から雨。京都へ着いて まず向かったのは、二条城近くのお店”幾一里”さんです。入ってみると、小さな民芸館のようでした。眼をひくものが ここそこにと、きれいに 大切に置かれていて、とても 居心地のいいお店です。

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店主も 語り口の柔らかい気さくな方で、いろいろ 説明をして 興味深い話を聞かせてくださいました。そして、いただいていったのですよ。ロバの家具やは…お地蔵様をね。

ここで お店を出るときに、この辺りで お勧めの場所を尋ねました。すると、”雨の日は、庭がいいですよ。石や緑が 雨にぬれて きれいにみえる。大徳寺は いいですよ”

この言葉に 心が動きました。なぜなら、今までも 京都では 雨に降られることが多く、雨にぬれた美しい庭を みてきているからです。そして、大徳寺は まだ 訪ねたことがない場所でした。

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そして、迷わず 大徳寺 高桐院へ。

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時を忘れて、ただ ただ眺めていたい景色が そこに ありました。

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先人は きっと ここで 手を清め、

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趣のある踏み石をたどり、茶室へむかったのでしょう。

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茶室の前では、永い時と 庭師の手によってしつらえた楓が 庭のあるじのごとく お出迎えをしてくれます。

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みどりが 色鮮やかに 目にうつります。紅葉も いいでしょうね…

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庭には 井戸もありました。井戸好きのロバの家具やには たまりません。

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窓のむこうに 景色が重なってみえます。なんて 素敵な演出なんでしょう。

人影もなく、静かなときの中で ゆっくり 雨の美しい庭を観照しました。これで すっかり庭にはまり、3日間の京都滞在で この後 6箇所 巡りましたが、私は この高桐院が 一番心に残っています。

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雨上がりの法然院。ここも 静かな趣で 心安らぎました。

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自然ではなく 庭師の手によって 代々守られている庭。人が手をかけることで つくられる美しいもの。

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心にしみる旅を終え、3日後 椅子の組み立てが完了しました。

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2011年9月24日 (土)

京都 その2.布屋さん

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今朝は、冷え込みましたね。寒くて、ストーブをつけたいくらいでしたが、冬支度の準備まで、まだ 手がまわっていませんでした。そこで、今日は まず 薪ストーブの”すすそうじ”。大きなブラシで 中をこすり、すすを落としました。

それから、羽毛の掛け布団を干しました。日中は 秋晴れのいい一日でしたね。青い空をみていると、京都の3日間が 少し恨めしく感じられます。

それでは、京都のご報告。

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ここ5年くらい、年に一度、京都へ行っています。お宿は、必ず 片泊りの町屋を利用しています。京都ならではの雰囲気が味わえて、好きです。

1泊 2500円のところから始まって、ここ3年は この”布屋さん”にお世話になっています。

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町屋は ”うなぎの寝床”といわれるように 間口は狭いのですが、奥が長いです。格子戸を開けると、長くひかれた石畳が 目に入ります。

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泊る部屋は、2階です。靴を下駄箱に入れて 上がります。自分の家に帰ってきたような気分です。明り取りのための高い天窓と吹き抜けが いかにも 町屋 らしくて いい風情を出していますね。

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部屋は、こぎれいで 快適です。こういう空間を味わえるのも、旅のたのしみ。

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いつも このように 野花が飾られていて、毎回 楽しみにしています。今回は、アケボノソウでした。

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朝食は、土鍋でたかれたご飯がでてきます。だしまき卵、お麩となすのたいたん、きゅうりのごまあえなど、どれも おいしく、きれいにいただきました。器も 古き良きもので出されるので、最後に 器を眺めて、こころも いっぱいに。

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また ごはんを食べながら、坪庭がのぞめます。

お風呂は 檜風呂と どこをとっても、気持ちの良い空間がつくられていて、居心地のいいお宿です。

それは、布屋さんのお心遣いのたまものだと思っています。

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